ドローンって何?
「ドローン」と言えば、通常は4つのプロペラが付いた形を思い浮かべるかもしれませんが、ドローンはその形だけではありません。プロペラが6つや8つ付いているもの、ヘリコプターの形をしたもの、プロペラがないもの、さらには水中を移動するものもあります。
※画像はイメージです。
実は、「ドローン」には厳密な定義は存在しません。
日本の法律では、「無人航空機」(航空法)や「小型無人機」(小型無人機等飛行禁止法)などと称されています。海外でも、”Unmanned Aircraft System”(UAS)という言い方がされることはあっても、「ドローン(Drone)」という言葉は正式な文書では使われません。
では、「ドローン」とは具体的にどのようなものをいうのでしょうか?
名前の由来をたどることで、ある程度明らかになります。以下のような特徴が挙げられます。
無人であること
「ドローン」は英国海軍が訓練用の「無人標的機」として試作したのがその始まりと言われています。ですから、操縦者が搭乗する(有人の)ものはドローンとは言えません。
無線電波を使用して遠隔操作すること
「無線電波」を使用して「遠隔操作」できることは、ドローンの特徴です。無線電波を使用して遠隔操作する機器を「ラジコン」と言いますが、「ドローン」も無線電波を使用して遠隔操作するラジコン標的機(Radio-Controlled Target Aircraft)として開発されたわけで、基本的にはラジコンの一種です。
自律的に飛行すること
「ドローン」と伝統的な「ラジコン」の大きな違いは、「ドローン」にはGPSやセンサーを使用してプログラムされたルートに沿って自動的に飛行するシステムが搭載されていることです。伝統的な「ラジコン」は完全にオペレーターの遠隔操作に依存します。
形状
空中を飛ぶものが元来のドローンの形状であることは間違いありません。もともと「ドローン」という名称は、「女王蜂」を意味する“Queen Bee”(英国海軍が訓練用の無人標的機として使用した「DH.82 Queen Bee」)に由来し、「雄蜂(drone)」を意味します。ですから、羽やプロペラがそのイメージの根底にあります。
もっとも、元々は航空機の形をしたものを「ドローン」と呼んでいましたが、現在では水中で使用する潜水機タイプのものも存在し、「水中ドローン」などと呼ばれることもあります。
まとめ
「ドローン」とは、操縦者が搭乗しない無人機であり、遠隔操作されるか、自律的に動作する装置をいうと定義することができます。ドローンというとプロペラで空中を飛ぶものだけをイメージしがちですが、その意味するところは非常に広いものとなっています。
※この情報は次の記事を参照、一部引用しています。
Wikipediaのde Havilland Tiger Moth
Naval Historical Society of AustraliaのQueen Bee – Radio-Controlled Target Aircraft of the 1930s